高気圧酸素治療

高気圧酸素治療とは、酸素が欠乏した患者に対して,通常の大気圧より高い圧力で酸素を与え,身体の酸素レベルの上昇を図る治療方法。

通常の酸素療法は,血液(赤血球)のヘモグロビンと酸素の結合を促すものであるが,結合の量には限度がある。一方,高気圧酸素治療は,酸素を血液中に溶解させる方法で,圧力が高いほど溶け込む量も増加するのが特徴。 救急的な治療としては,急性一酸化炭素中毒やその他のガス中毒,ガス壊疸,空気塞栓や減圧症,嫌気性菌感染症,急性末梢血管障害などに施行される。救急でない治療としては,悪性腫瘍(放射線療法や化学療法との併用),難治性潰瘍を伴う末梢循環障害,皮膚移植などで施行される。 純酸素や空気で加圧できますよう設計された高圧酸素治療室において,大気圧より高い気圧(2~5気圧)で高濃度の酸素を患者体内に吸入させる。 100%酸素を用いるので,火気などに注意を要する。

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