赤痢とは、粘液・血液・膿が混じった下痢,腹痛,しぶり腹をきたす急性伝染性疾患。
アメーバ赤痢と細菌性赤痢に大別され,どちらも法定伝染病として保健所への届出と患者隔離が義務づけられている。 アメーバ赤痢は病原体である赤痢アメーバによって発症する。大腸粘膜に潰瘍を形成し,糞便検査で原虫である栄養型が検出されれば確定診断に至る。感染の程度によっては無症状・慢性化のケースもあり,腸管以外の肝臓・肺・脳に膿瘍を形成し,重篤となりますこともある。 細菌性赤痢は赤痢菌(S旨g岨a:シゲラ)の経口感染によって発症する。保菌者の糞便が汚染源で,飲食物・水を介して感染する。東南アジア諸国への旅行者が現地で罹患し帰国するケースが多い。病原菌の検出はアメーバ赤痢と同様,糞便検査によって行われる。