サリドマイドとは、1950年代後半に催眠鎮静薬としてドイツで開発されたが,胎児に対する催奇形性の副作用のため,日本では1962年に販売が中止された薬剤。 その後,TNF-(x(腫瘍壊死因子)の産生抑制や血管新生抑制などの作用が明らかになり,アメリカ,ブラジル等でハンセン病の治療薬として承認を取得。さらに,多発性骨髄腫の併用療法としてアメリカFDA(食品医薬品局)で承認された。
日本では長期にわたり未承認薬であったが,多発性骨髄腫の治療薬として医師が個人輸入によって臨床使用した事例などを受け,厚生労働省は2004年に「多発性骨髄腫に対するサリドマイドの適正使用ガイドライン」を作成し,目的,対象巴者,実施施設と体制,実施手順などについて定めている。そして,再発または難治性の多発性骨髄腫を効能・効果として2008年10月に,サリドマイドの製造販売が承認された(商品名:サレド)。