低体温療法とは、重症脳損傷患者に対して,全身の体温を33こ34℃まで低下させ,脳の代謝を下げることで脳保護を行う治療法。
脳卒中など脳に損傷が起きるとしばしば体温が上昇するが,1~2℃の体温上昇でも脳のダメージは大きくなる。そこで,脳の酸素消費量を抑え,脳を保護するために低体温療法が用いられる。適応となりますのは脳梗塞急性期で,発症後5~6時間以内の場合に限られる。また,脳動脈瘤や頭部外傷,術中の脳血管遮断(虚血)などでも行われることがある。 低体温療法に伴う合併症として,心筋虚血,不整脈,免疫機能低下などがある。 保険診療における低体温療法は直腸温35℃以下の場合に算定するが,脳温を32~34℃に維持する重度脳障害患者への治療的低体温では算定できない。