血液凝固因子とは、血液凝固に関与する血中および組織中の因子。
血液凝固因子は12種類ある(第T~xⅢ因子,第VIは欠番)。 血液には凝固と溶解の働きがあり,出血が起きても血液が失われないように止血する能力がある。この働きには血液中の血小板と血液凝固因子が関わっており,複数の蛋白質が連鎖的に働くことで起こる。最も代表的な成分がフィブリノゲン。血小板が傷口に集まって活性化したのを感知すると,フィブリンという粘り気のある網状の線維素になり,血小板や赤血球に絡みついてしっかりとした血栓を形成する。そのため,けがをしても傷口がふさがって止血される。 一方,この血栓をそのままに放っておくと血液が流れにくい状態になる。また,血栓が剥がれ落ちて流れていくと,毛細血管を詰まらせる原因にもなる。そのため出血の心配がなくなると,今度は逆に血栓を形成しているフィブリンが溶ける現象が起きる。これを線溶と呼ぶ。 いずれかの遺伝子機能に欠損が起こると,血液凝固に障害が起こる(血友病など)。