シャントとは、シャント（Shｕｎt）とは，血液などが本来通るべきルートと別のルートを流れる状態のことであり，多義的に用いられる。　

病態を表す使い方としては，例えば先天性心奇形において動脈や静脈の正常の血流とは異なる血流が生じている場合に「右→左シャント」や「左→右シャント」として表現することがある。あるいは，先天的に異常なシャント血管によって門脈血が全身静脈系の血管に短絡してしまう疾患を門脈体循環シャントと呼ぶ。処置や治療法を表す使い方としては，以下のように大別される。①体外循環治療のため，いったん体外に導いた血液を　体内に返すブラッドアクセスの一つ。血液透析で，　主に腕の動脈と静脈を皮下で吻合し（短絡させ），　動脈から静脈へ血液を流す方法を内シャントと呼　ぶ。また，動脈・静脈にチューブを挿入し，体外の　皮膚表面に出す方法を外シャントといい，短期間や　緊急の場合に用いられる。②シャント手術：水頭症手術で，脳室と腹腔をチュー　ブでつなぎ（短絡させ），脳脊髄液を腹腔へ導いて　吸収させる術式。