パスツヤル処理骨

パスツヤル処理骨とは、骨肉腫など悪性腫瘍に罹患したため切除した骨を,60℃で加温処理して腫瘍だけを完全に死滅させ,骨のコラーゲンや蛋白など正常組織は変性させずに元の部位へ移植して再建する方法。 

切除した骨や関節の部位は人工骨や人工関節を挿入して再建することが通常だが,破損や摩耗のリスク,感染症合併のリスクなどを伴う。そのため,この罹患骨を再利用する研究が進められ,1990年に日本で,牛乳の低温殺菌をヒントとした「パスツール処理法」が考案された。 60℃の湯に浸すと悪性腫瘍は死滅するが,血管や神経は温存できますことが判明している。なお,19世紀に低温殺菌法を発見したルイ・パスツールにちなむ命名。

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