腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオとは、病原大腸菌,サルモネラとともに,日本で発生する食中毒の30%を占める三人食中毒原因物質の一つ。

ビブリオ科の菌にはビブリオ属,エロモナス属,プレジオモナス属,フォトバクテリウム属があり,ビブリオ属はコレラ菌や食中毒の起因菌である腸炎ビブリオなどを含む属種である。世界各地の沿岸海水や海泥の中に生息する海水性細菌であり,付着した魚介類を生食することで感染する。海水の温度が上がると大量に増殖するため,特に夏季に食中毒例が増える。 食中毒になると,発熱,嘔吐,上腹部痛,下痢で急性胃腸炎症状があり,1日前後の潜伏期間を経て発症する。特に抗菌薬治療を行わなくても数日で回復するとされ,場合によっては対症療法が行われる。 腸炎ビブリオは,五類感染症の定点把握対象である感染性胃腸炎の起炎菌の一つである。

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